@article{oai:jichi-ir.repo.nii.ac.jp:00000022, author = {石井, 彰 and 菅原, 斉 and 渡辺, 珠美 and 松本, 充也 and 松林, 洋志 and 出光, 俊郎 and 兵頭, 隆史 and 山田, 茂樹 and 川上, 正舒}, journal = {自治医科大学紀要, Jichi Medical University Journal}, month = {Mar}, note = {症例は78歳女性。入院9か月前に黄色透明の鼻漏を自覚。3か月前に右鼻閉感,右鼻漏,右眼の違和感を主訴に近医の耳鼻咽喉科を受診。当センター耳鼻咽喉科で右鼻腔・副鼻腔腫瘤を指摘された。外来での経鼻的鼻腔腫瘤生検では腫瘍組織を認めず,全身麻酔下での腫瘍摘出術目的に入院。経鼻的鼻腔腫瘤の再生検では,病理学的に非上皮性悪性腫瘍が疑われたが,確定診断に至らなかった。背部の違和感,食欲低下や嘔気が改善しないため,総合診療科に紹介となった。Review of systems(ROS)の聴取で,出現時期は不明の左下腹部の小さな「しこり」と意図しない体重減少が判明。身体所見上,左下腹部に1cm 大の弾性硬で可動性不良の皮下結節があり,血液検査で肝胆道系酵素の上昇が認められた。腹部超音波検査で肝内に多発する腫瘤性病変があり,造影CT 所見から多発性転移性肝腫瘍および多発性骨転移と診断。皮下結節組織の免疫染色でvimentin 陽性,melanoma-associated antigen( HMB45) 陽性,S100蛋白陽性,epithelial membrane antigen 陰性,cytokeratin(CAM5.2)陰性,CD30陰性であったことからAmelanotic melanoma と診断。Performance Status が4のため化学療法の適応なく,緩和治療で第19病日に死亡。剖検所見では,右副鼻腔全体に乳白色泥状腫瘤が充満し,肝臓,肺,心筋,甲状腺,腹膜,後腹膜,肋骨,胸椎,腸骨に多数の乳白色腫瘤が認められた。これらの腫瘤は,組織学的には皮下結節の生検組織所見と全て同一でamelanotic melanoma の多発転移と最終診断した。TNM 分類はpT4N0M1c,病理病期分類Ⅳであった。amelanotic melanoma は悪性黒色腫のなかでも非常にまれな疾患である。本症例において,耳鼻咽喉科外来受診時には,意図しない体重減少を患者自身は自覚していた。その時にROS を聴取していれば,腹部の「しこり」の情報も得られたはずであり,より早期に全身検索することによって多臓器転移も診断できた可能性がある。臓器別専門外来でも,特に,悪性疾患が疑われる場合には,全身状態や多臓器転移の可能性を把握するためにROS を実施することが肝要である。}, pages = {129--134}, title = {臓器別専門外来でのReview of systems 聴取の重要性が示唆されたAmelanotic melanoma の1剖検例}, volume = {34}, year = {2012} }